「どうしても、この畳床がいい」その言葉が、職人を動かす。
しかし、おばあちゃんからいただいた「どうしても、この畳床を使い続けたいの」という切実なご希望。 長く暮らしを支えてきた足元の感触、そこにある想い出。職人として、その想いに応えないわけにはいきません。 徹底的な補修と、最高の畳表を持って、12枚の「再生ドキュメント」が始まりました。
【Before】39年の歴史が刻まれた畳床
長年のご使用により、凹みや隙間、表面の波打ちが顕著に出ていました。通常なら寿命を超えている状態ですが、ここからが職人の腕の見せ所。藁床(わらどこ)特有の風合いを残しつつ、徹底的に凸凹を直し、隙間ヶ所を出し、寸法を修復していきます。
【畳表紹介】吉野さんの「ひのはるか」
今回、この想い出深い和室に採用したのは、熊本の吉野さん作「ひのはるか」麻綿4本芯織り。 芯がしっかりとした極上の表は、使い込まれた床(とこ)をしっかりと包み込む力強さがあります。 目の詰まった美しさと、天然い草の濃密な香りが、部屋の空気を一瞬で変えてくれます。
【After 01】息を吹き返した12枚
補修を重ね、新しい表を張った畳を敷き込んだ瞬間。 ガタついていた隙間は消え、畳が「シャキッ」と立ち上がりました。 まるで新築時のような輝きを取り戻した和室を見て、作業の疲れも吹き飛ぶほどの達成感です。
【After 02】おばあちゃんの笑顔のために
納品後、仕上がりを足の裏で確かめてくださったおばあちゃん。「本当に綺麗になったね、ありがとう」と、嬉しい感謝の言葉をいただきました。 お客様の「こだわり」に寄り添い、それを形にする。地域密着の畳店として、これ以上の幸せはありません。
【After 03】職人が繋ぐ「これからの30年」
角(カド)の立ち方、縁の真っ直ぐなライン。 ただ表を変えただけではない、中身の補修を徹底したからこその美しさです。 これからも磯路の地で、ご家族の団らんを優しく支え続けてくれることでしょう。
| 施工エリア | 大阪市港区磯路・戸建て |
|---|---|
| 施工内容 | 畳 表替え(12枚) |
| 使用畳表 | 熊本県産「ひのはるか」吉野さん作 麻綿4本芯織り |
| グレード | 紬(つむぎ) |
| こだわり | 築39年畳床の補修・手直し |
正直、ここまでくたびれた床を直すのは大変な作業でした。 でも、「この畳がいい」というおばあちゃんの想いを、技術不足を理由に断りたくなかった。 吉野さんの素晴らしい畳表と格闘しながら、畳が生き返る手応えを感じた時は、 「この仕事を選んで良かった」と心から思いました。磯路の皆様、畳のことなら何でもワガママを言ってください。 僕が全力で受け止めます!

